第三の食物繊維とも言われ、便秘解消やダイエット効果で注目を集める「レジスタントスターチ」。
これは小豆にもたくさん含まれており、あんこを使った和菓子好きには嬉しい限り。
他にも素晴らしい栄養素が豊富なので、積極的に摂取したいですね。
小豆の煮方には諸説ありますが、煮るときの注意点、効果的な食べ方についてもご紹介したいと思います。
レジスタントスターチとは?
レジスタントスターチとは、難消化性でんぷんまたは耐性でんぷんと言われ、消化されにくいでんぷんのこと。
食物繊維は水溶性・不溶性の2種があるが、両方の性質を兼ね備えていて、血管の老化予防効果も期待できる。
小腸で消化吸収されずに大腸に達し、大腸を綺麗に掃除してくれる。
小豆などをゆでると、でんぷんが水分を吸って膨張し、外側の細胞壁に守られた“あん粒子”と呼ばれる粒になる。これが豆の「レジスタントスターチ」。
食べても通常のでんぷん摂取の際のようには血糖値が上昇しないそうです。
小豆の栄養について
食物繊維たっぷり
小豆の食物繊維はごぼうの約5倍、さつまいもの8倍とも言われています。
一般的に、食物繊維は水に溶ける水溶性、溶けない不溶性の2種類。
不溶性食物繊維はは便のカサを増し、腸のぜん動運動を活性化する。
一方、水溶性は腸の中で善玉菌のエサになるもので、両方摂取することが必要です。
あずきにはの食物繊維は主に不溶性食物繊維ですが、小豆に含まれるレジスタントスターチが水溶性食物繊維の働きを補ってくれるとのこと。
有害な重金属や発ガン物質を体内から除去するデトックス効果も期待できるそうです。
サラダなどの生野菜に含まれるのは不溶性食物繊維ですが、そればかり偏って摂取すると逆に便秘を招く要因になります。
でも小豆なら、食物繊維のバランスを考えることもなく摂取すれば良いので楽ですね!
他の栄養素も豊富
小豆には他にも、ビタミンB1・ビタミンB2・ポリフェノール・サポニン・亜鉛・カリウム(アボカドの2倍)・鉄分・カルシウム・アントシアニンなどが含まれています。
疲労回復
ビタミンB群には、エネルギーを効率よく作り出す働きがあります。
体内の疲労物質を減らして疲労からの回復を早め、疲れにくい体に。
糖質・脂質の代謝を促し太りにくい体にする効果も。
疲れ気味の時などは、ケーキよりも餡子を使った和菓子でパワーチャージしましょう!
美容とアンチエイジング
赤ワインにたくさん含まれているという抗酸化作用たっぷりのポリフェノールも、含有量はワインよりおおく1.5倍ほどあるそう。
細胞の老化やシミ・シワを防ぐ効果もあり!
さらに、髪や皮膚の成長を助けるビタミンB2、デトックス効果のある食物繊維で美肌効果も!
むくみ予防
小豆に含まれるカリウムは、過剰摂取した塩分を体の外へ排出し、むくみ対策に。
また、小豆の皮に含まれるサポニンには、利尿作用があります。
汗と一緒に出てしまいがちなカリウムも、小豆でカバーしましょう。
食生活に小豆を上手に取り入れて、健康維持に役立てたいですね。
効果的な食べ方
おはぎ・あんこ餅=疲労回復・スタミナアップ
小豆はビタミンB1,B2、鉄分、食物繊維が豊富。
ビタミンB1はでんぷんの消化分解を助けエネルギーに変えるのに必要な栄養素です。
そのため、小豆と餅米の組み合わせは、疲労回復・スタミナアップにぴったり!
疲れが取れない時、夏バテ気味の時などの朝食やおやつにおすすめ!
また、小豆と砂糖を加えて加熱することでメラノイジンという抗酸化活性の非常に高い物質ができるのも嬉しいポイント。
血圧や血糖値、血中コレステロールの上昇を抑制する効果&中性脂肪や悪玉コレステロールを低下させる効果も期待できるそうです!
小豆+かぼちゃ=むくみ解消(利尿効果)
小豆とかぼちゃを煮たものは、いとこ煮とも言われ、昔から体を温めるレシピとしても有名です。
砂糖を入れなくてもかぼちゃの甘味でとても美味しくいただけます。
いとこ煮の語源は、食物繊維が多いもの同士という意味合いとも言われます。
かぼちゃ以外にも、れんこんやさつまいもと煮込むものも「いとこ煮」と呼ばれます。
小豆+ごま=血行促進効果(冷え予防)
小豆の煮方
小豆を煮る方法は調理器具や時間、考え方によって様々あるようです。
一般的に豆類は、一晩浸けておくものも多いですが、小豆の場合は浸け置き時間ゼロで煮ても美味しくできます。
小豆煮のレシピの多くは、浸水時間なしで小豆を煮て、アクを取るために二回ゆでこぼしをして砂糖など調味をして完成させます。
でもポリフェノールやサポニンなどの有効成分も茹でこぼしをすると、茹で汁とともに流れてしまいます。(約40%〜50%流れてしまうとも言われます)
苦みやえぐみが気にならず、ポリフェノールを積極的に取りたい!という方はゆでこぼしを控えても良いかと思います。
圧力鍋や活力鍋を使うともっと時短でも完成できます。
一方で酵素抑制物質があるので、しっかり浸水が必要という説も。
豆は種でもあり、種には酵素抑制物質(発芽抑制因子)が含まれていて、人体が摂取すると、体が排除しようとして体内の酵素を大量に消費させてしまい、害となるといいます。
酵素抑制物質は、12時間以上豆を水に浸けると水中に出ていくとのことです。
その水は捨てて、また新しい水でさっと下ゆでしてから小豆を使うと安心とのこと。
でも、この発芽抑制因子(アブシジン酸)は、加熱すれば消滅するという説もあるので、生で小豆を食べる方はいないので気にならない方は浸水なしでも良いと思います。
気になる方は、この下処理をした上で食べると安心ですね。
ちなみに16時間水につけると小豆がしっかりと吸水してくれるので、短時間煮るだけで柔らかくなります。
なので私は、基本的には16時間水に付けてから煮て、ゆでこぼしは一度だけにしています。
ほぼ毎日のように小豆を食べていますが、他のお菓子などを多少食べていても太らず、便秘にもならないので、小豆効果を感じています。
小豆の摂取量はどのくらい?
食物繊維の、成人一日の摂取目標量:男性20g以上、女性18g以上とされています。
煮あずき100gあたり、食物繊維は11gほど含まれているそうです。
大さじ一杯ので約21gなので、大さじ5杯で1日の目安量の半分以上をを摂取できますね。
私は、朝食や食後のデザートに白玉やお餅に手作りあんこをかけて食べます。
このくらいの量で煮あずき80gです。(お皿の直径は17cm。目安に乾燥小豆を横に置きました)
1日に他の野菜なども食べるので、これをプラスするだけで食物繊維はばっちり摂取できてそうです。
小豆で健康に
薬膳料理や漢方薬としても使われる小豆。
小豆の歴史は古く、中国の世界最古の薬学書「神農本草経」には当時、小豆の煮汁が解毒剤としてもちいられたといった記述があります。
日本には3世紀頃伝来し、薬として使われました。
小豆の豊富な薬効成分、ぜひ日々の生活に取り入れて美容と健康に役立てたいですね!